堺化学工業株式会社

白浮きしない酸化亜鉛はどれ?粒子径別の透明性とUV遮蔽性の違いを紹介!

白浮きしない酸化亜鉛 Before / After

皆さんは日焼け止めに配合される紫外線散乱剤はご存知ですか?
紫外線散乱剤とは紫外線を物理的に反射・散乱させることでUVカット効果を発揮する素材です。
肌への刺激が少ない「ノンケミカル」な紫外線散乱剤である酸化亜鉛についてご説明いたします。

紫外線散乱剤として長く使用されてきた酸化亜鉛は、粒子径によって特性が大きく変化する非常に興味深い原料です。

同じ酸化亜鉛でも、粒子径の大きさがわずかに変わるだけで、UV遮蔽性、透明性、塗布感がガラリと変わります。
とくに、最近注目されているノンケミカル(紫外線吸収剤フリー)処方では、酸化亜鉛の粒子径選びが仕上がりを大きく左右する最重要ポイントです。
本コラムでは、「粒子径の選び方に迷う…」という化粧品開発者向けに、すぐ使える情報をまとめました。
酸化亜鉛の粒子径ごとにどんな透明性とUV遮蔽性の違いが生まれるかを、堺化学の知見とともにわかりやすく解説します!

INDEX

この記事に使われている用語解説

  • ● UV遮蔽性

    紫外線(UV: Ultraviolet)を透過させず、吸収または散乱して遮る性能。

  • ● 粒子径

    原料を構成する粒子1つあたりの大きさ。一般的にナノメートル(nm)やマイクロメートル(μm)の単位で表され、UV遮蔽性や透明性、使用感に大きく影響する。

  • ● ノンケミカル

    紫外線吸収剤を使用せず、紫外線散乱剤のみでUVカットを行う処方のこと。肌への刺激が少ないという理由から、敏感肌向け処方で多く採用されている。

  • ● 紫外線吸収剤

    紫外線を化学的に吸収し、熱エネルギーに変換することでUVカットを行う成分。紫外線散乱剤に比べて少量でも高いUV遮蔽効果が得られる一方、肌への刺激を感じる場合がある。

  • ● SPFアナライザー測定

    紫外線吸収・散乱効果を機器で定量的に測定する手法

  • ● SPFブースター効果

    紫外線散乱剤の効果を高め、SPFを向上させる働き

  • ● マイクロプラスチックビーズ(MPB)

    一般的に5 mm以下の固体プラスチック粒子を指し、化粧品やボディウォッシュ、歯磨き粉などに使用されています。使用後のMPBは排水を通じて川や海に流れ込むため、環境保護と人体への安全性の観点から、使用制限や代替素材の導入が重要とされています。


酸化亜鉛の粒子径違いによるUV遮蔽性と透明性比較

酸化亜鉛であればどの粒子径でもUV遮蔽性があるというわけではなく、効率的なUV遮蔽を行うには適切な粒子径が存在します。
堺化学工業では20nm~数十μmサイズまでの化粧品・工業用の酸化亜鉛を取り揃えており、長年の処方開発で得た知見から、UV遮蔽を目的とする場合は粒子径による光の反射・散乱効果から100nm以下を推奨しております。この推奨サイズは堺化学工業のFINEXシリーズにおいて、実際の処方評価データに基づき担保されています。
100nm以下の粒子径の場合、下図のとおり粒子径が小さくなると透明性が高くなり、粒子径が大きくなるとUV遮蔽性が高くなります。化粧品のコンセプトに合わせて適切な粒子径を選ぶことも重要なポイントです。

酸化亜鉛の粒子径と透明度

ここで、堺化学工業のFINEXシリーズに置き換えて、粒子径と透明性・UV遮蔽性の関係を具体的に見ていきましょう。

酸化亜鉛の光学特性(FINEXシリーズ 粒子径別の透過率)

FINEXシリーズの粒子径による特徴

FINEX-50(20nm) 高透明性が特徴。高配合しても白浮きが起こりにくい。
FINEX-30(35nm) 透明性もありつつ、UV遮蔽性も高い万能タイプ。
FINEX-10(90nm) 適度なトーンアップしながら、高UV遮蔽性を持つ。
酸化亜鉛の粒子径別 塗膜写真

▲粒子径と透明度の関係を表しております。塗膜写真からも粒子径によって透明性に違いが出てくることがよくわかります。

酸化亜鉛粒子径別SPF、PA比較

堺化学工業のもつFINEXシリーズは、粒子径違いによってUV遮蔽性を細かく調整できる点が大きな特長です。酸化亜鉛を配合したサンスクリーン(日焼け止め)において、粒子径の違いはSPFおよびPAに明確な影響を与えます。 同じ20%配合であっても、粒子径違いで以下のようなUV遮蔽性の差が見られます。

紫外線対策のイメージ

<酸化亜鉛20%配合 W/Oミルクサンスクリーン>

SPF*1 PA*1
FINEX-50-OTS(20nm) 25~35 ++
FINEX-30-OTS(35nm) 30~35 ++
FINEX-10-OTS(90nm) 45~50 +++

実際の処方では多種多様な原料と配合され、処方化されます。同じ配合量でも、求める仕上がり(透明性、使用感、高UV遮蔽性)に応じて最適な粒子径が変わるため、コンセプトに合わせたグレード選定が処方設計の鍵となります。以下では、仕上がりに応じた使用シーンの例をご紹介します。

  • SPF20~30、PA++程度

    通勤・通学、買い物など日常使い

    通勤・通学、買い物など日常使い

    日常的な紫外線対策として十分なレベル。透明性の高さを活かし、毎日使いやすい処方向け。

  • SPF30~50、PA+++以上

    散歩、買い物、軽い屋外活動など

    散歩、買い物、軽い屋外活動など

    バランス型。軽い屋外活動でも安心して使える中間レベル。

  • SPF50+、PA++++

    スポーツ、野外活動、レジャーなど

    スポーツ、野外活動、レジャーなど

    高UV遮蔽が求められる場面向け。紫外線量が多い環境でも対応できるレベル。

ノンケミカルサンスクリーン処方でよくあるQ&A

Q1
白浮きせず、SPF50+のノンケミカルサンスクリーンを設計する場合は?
酸化亜鉛単独処方ではなく、酸化チタンとの併用しながら紫外線散乱剤を高配合することで可能です。(組み合わせ方にもよりますが15-20%前後配合することを推奨します。)
Q2
透明性もありつつSPF30~40程度の日常使いしやすいノンケミカルサンスクリーンを設計する場合は?
酸化亜鉛単独での設計が可能です。特に堺化学工業のFINEX-50シリーズ(20nm)を使用することで高透明な製剤の実現ができます!
Q3
O/Wサンスクリーン(日焼け止め)でもSPF50+のノンケミカルサンスクリーンの設計は可能?
堺化学工業では、撥水性処理の酸化亜鉛、酸化チタンを水へ分散させたAB水分散体シリーズをラインナップしています。AB水分散体を使用することで使用感が良好かつ高SPFのO/Wサンスクリーンの設計が可能です。
Q4
これ以上、使用感を考えて散乱剤は入れたくないけど、SPFはあげたい場合はどうしたらいい?
SPFブースター効果のある原料を配合するとSPFを上げることができます。堺化学工業ではMPB代替として球状炭酸カルシウム「かるまる」や球状硫酸バリウム「ばりまる」がございます。感触改良剤としてだけでなく、SPFアナライザー測定よりSPFブースター効果も確認済みです。

参考処方をご希望の方は、堺化学工業までお問い合わせください!

まとめ

酸化亜鉛は、粒子径を変えるだけで仕上がりもSPFもガラッと変わる、非常に自由度の高い原料です。

酸化亜鉛の場合、透明性を高くしたいなら20nm、バランス重視なら35nm、とにかくUV遮蔽性が欲しいなら90nm。
“どんなコンセプトにしたいか”を決めれば、自ずと粒子径の選択肢が見えてきます。
「粒子径についてどれを選べばいいんだろう…?」と迷ったときは堺化学工業へご相談ください。処方の狙いや仕上がりイメージに合わせて、最適なグレードをご紹介します!

堺化学マスコットキャラクター チータン

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