紫外線散乱剤VS紫外線吸収剤 あなたに合うのはどっち?

「日焼け止めは、夏だけでいい」―― そんなことを思ってはいませんか? いまや美容の世界では、“紫外線対策は365日必須” が常識になりつつあります。 近年の研究では、肌の老化の原因の約 8割 が紫外線ダメージと関係していることが明らかになっています。シミや小じわ、たるみなどは、毎日のちょっとした紫外線の積み重ねで生まれます。 だからこそ、日焼け止めは“夏限定の特別なアイテム”から“毎日のスキンケアのベース”へ。 では、その日焼け止めに欠かせない成分である 「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」。 これらにはどんな違いがあるのでしょうか?
UVAとUVBとは?
紫外線と一口にいっても、その中にはUVAやUVBなどが含まれています。UVAは波長が長く真皮にまで届き、肌を黒くし、しわやたるみといった光老化の主な原因となります。UVBは波長が短く、肌表面に作用して赤みや炎症を伴う日焼けを引き起こし、しみ、ソバカスの原因となります。
紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違い
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●紫外線散乱剤(Physical UV Filters)
イメージすると「鏡」に近い働き方です。肌上に紫外線散乱剤が均一に塗布されることで、紫外線を反射・散乱させてブロックします。代表的な成分は酸化亜鉛(ZnO)や酸化チタン(TiO₂)。これらは物理的に光を跳ね返す仕組みを持ち、敏感肌の人や子どもにも比較的使いやすいといわれています。紫外線散乱剤は白浮きが課題とされていましたが、技術の発展により、白浮きを抑えた透明感のある仕上がりが期待できる日焼け止めも増えています。
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●紫外線吸収剤(Chemical UV Filters)
こちらは「魔法使い」のようなイメージです。紫外線のエネルギーを一度取り込み、熱などの形に変えて放出する仕組みを持ちます。塗り心地が軽く、透明感のある仕上がりを得やすいため、日常使いの化粧品として広く使われています。 ただし、敏感肌の人は刺激を感じる場合があるともいわれ、処方全体とのバランスを見ながら選ぶことが勧められています。
紫外線散乱剤も紫外線吸収剤も、実は“守り方”はひとつじゃありません。種類によって、UVAやUVBをカットするものがあり、それぞれが肌を違う角度から守ってくれているのです。
▼紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の具体例
| 紫外線散乱剤 | 紫外線吸収剤 | |
|---|---|---|
| UVA防御 | 酸化亜鉛(ZnO) | ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル など |
| (UVA+UVB)防御剤 | 酸化亜鉛(ZnO) | ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン など |
| UVB防御 | 二酸化チタン(TiO₂) | メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(OMC)/サリチル酸エチルヘキシル など |
ちょっと気になる、あれこれQ&A

まとめ
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤――どちらが優れているかではなく、“自分の肌とライフスタイルに合うか”が選ぶ基準です。 敏感肌なら紫外線散乱剤、透明性重視なら吸収剤、強い紫外線下ではハイブリッド処方。まるでファッションを着替えるように、その日のシーンによって日焼け止めを選びませんか? そして日焼け止めは、未来の肌を守る“毎日の投資”。今日のひと手間が、5年後の美しさをつくる――そう思って選んでみてください!
